こんにちは!きままクリエイトです。
今回は読んでみて久しぶりに熱くなった本を紹介します!
先に言っておきますが、この本を読んだら、
あなたの心がトキメキハートな瞬間が、最低でも3回、必ず来ます。
『赤いモレスキンの女』 新潮社/アントワーヌ・ローラン
作品紹介より引用
男はバッグの落とし主に恋をした。手がかりは赤い手帳とモディアノのサイン本。パリの書店主ローランが道端で女物のバッグを拾った。中身はパトリック・モディアノのサイン本と香水瓶、クリーニング屋の伝票と、文章が綴られた赤い手帳。バツイチ男のローランは女が書き綴った魅惑的な世界に魅せられ、わずかな手がかりを頼りに落とし主を探し始める。英王室カミラ夫人も絶賛、洒脱な大人のおとぎ話第二弾。
「大人のおとぎ話」という表現がまさにぴったりです。この本を読んで、自分が恋に落ちた女性を、落とされた靴だけを頼りになんとか探し出そうとする『シンデレラ』が思い浮かびました。
すこしミステリー要素もあり、でもやっぱり恋愛のおとぎ話でもあり。。
落とし主の手帳(赤いモレスキン)を見てしまって、罪悪感がありながらも、書かれたその内容に魅せられて、もう気になってしょうがない、という男性側の葛藤もグッときます。
主人公の男性が“書店主”という設定も、書店が好きな私にとってはかなりのプラスポイントでした!舞台はパリですが、海外でも書店員がやっている仕事って、なんだか変わらないんですね。
じつは私は海外文学が少し苦手です。あの独特な言い回し?比喩表現がなんとも読みにくい、と感じてしまうのですが、本作品はあまり気になりませんでした。
それよりも、内容がおもしろすぎて、一気に読んでしまいました。。
Kindle版も出ていますが、この「新潮社クレスト」というシリーズは、装丁にもかなり力を入れているので、紙の本をお勧めします。
カバーデザインも可愛らしいですが、そのカバーを取っても、アイボリーの地に緑色の細文字印刷で、とってもおしゃれです。(書かれているのはフランス語のタイトル)
栞紐も緑色で可愛いです。
まだ全然書き足りないのですが、これ以上はネタバレになってしまうので、一旦ここで区切ります。
つづきは目に触れないように、かなり下に書いておきますので、読み終えて「この気持ちを誰かと共有したい!」となった方、「ネタバレ大歓迎!」という方は読み進めてもらえると嬉しいです。
大事なことなのでもう一度言いますが、この本を読んだら、
あなたの心がトキメキハートな瞬間が、最低でも3回、必ず来ます。
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もうすぐネタバレコーナーが来ますよ!
ご注意ください!
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さて、ここからはあまり人の目に触れないという前提で、ネタバレ全開(キモさも全開)でいきます。
先にトキメキハートな瞬間が、私はどこにあったかというと、
ローラン(主人公)が鏡に向かって、まだ会ったことのないロール(ヒロイン)のワンピースを自分の横に並べて、想像するシーン。
ローランが落とし物のなかの金のプレートに書かれたヒエログリフの意味に気付くシーン。
ローランの娘のクロエが、ロールに「彼の名は…」とつぶやくシーン。
ロールの手帳にそのあと追加されていくローランへの恋心。
ローランとロールが出会うシーン。
…はい。5つありましたね。笑
ローラン(主人公)が鏡に向かって、まだ会ったことのないロール(ヒロイン)のワンピースを自分の横に並べて、想像するシーン。
落とし物の中にあったクリーニング店の伝票から、なんとかクリーニング店を突き止めて、白いワンピースを受け取ったローラン。
まだ会ったことはないけれど、もう気になってしょうがない女性を、そのワンピースから想像して、「このくらいの背丈かな?」と自分の横に並べて、鏡に向かうシーンです。
もうこの時点で、「めっちゃ好きやん!」と。
その服から見える華奢な肩や雰囲気を想像して、自分と並んで歩いたらこんな感じかな?まで絶対考えちゃってますねー。
そのあとは鏡越しに自分の背後に映った、ローラン自身のルーツである書棚に視線が向けられます。
読書好きだと思われる彼女が、この棚を見てどんな顔をするだろうか?とか考えてそう。
このときはこれで手がかりが他に無くなってしまうので、余計に想いを募らせてしまう描写にも、グッときてしまいました。
ローランが落とし物のなかの金のプレートに書かれたヒエログリフの意味に気付くシーン。
ピシエという作家のサイン会を、自分の書店で開催したローラン。
一見、本筋とは何も関係ないように見えるこのシーンが、物語を急激に進めることになります。
ここはミステリー的にトキメキましたね。。
ピシエがサイン会を淡々と続けていると、突然「こんにちは…ナタリー」と、初めて会った女性の名を言い当ててしまいます。理由は彼女の首に付けられていた金のペンダント。そこにはヒエログリフで名前が書かれていました。
そのときのローランの焦る気持ちったらないですよね。笑
落とし物のなかにあった、金のプレートには、ロールの名前が書かれていました。
まさかこんなところから新しい手がかりが出てくるなんて思いもしませんでした!
ローランの娘のクロエが、ロールに「彼の名は…」とつぶやくシーン。
結果として、ロールの住んでいる家を突き止めたローランですが、彼女には自分の素性がバレないようにして、落とし物のバッグと置き手紙を残して立ち去ってしまいます。
この時のローランの切なさも心にしみますが、反対に今度はロールが、ローランのことが気になってしょうがない状態になります。笑
いやもうお前ら付き合っちゃえよ!笑
ロールからすれば、もう二度と戻ってこないと思っていた大切な物が、見ず知らずの男性(想像ではイケメン)が自分を必死に探して届けてくれたのだから、そりゃ、ときめいちゃいますよね。
それに、自分のことをろくに伝えずに去っていくところが、この時はとても紳士的に映ったのではないでしょうか。
ロールが、バッグの届け主を探しても探しても見つけられなかったとき、反対にローラン側では、娘のクロエが(ローランには内緒で)動いていました。
恋話大好きなティーンエイジャーのクロエ。父親のローランがロールに自分のことを何も伝えずに立ち去ったことに憤慨した彼女は、なんと直接ロールに会いに行ってしまいます!
ここでそうきたか!と思いましたね。なんとクロエがぐいぐい行っちゃうのか、と。
クロエがロールの仕事場に「社会見学」という名目でやってきて、ロールのことを探す→見つける→近付く→簡単な雑談を交したあと、突然「彼の名は、ローラン・ルテリエ。」とつぶやくまでの過程が、先がわかってはいるのですけど、わかっているからこそドキドキしっぱなしでした!
ロールの手帳にそのあと追加されていくローランへの恋心。
ローランの素性を知ったロールは、彼に見つからないように、ローランの書店に行きます。
いやー、これでずるいのが、本当にローランはイケメンなんですよ。どんな人なんだろう?→イケメンだった!はずるい。ずるいよ。。
「※ただしイケメンに限る」は本当にそのとおり。
これまでローラン側の視点で描写されていた赤いモレスキンの内容が、今度はロールが追記する視点で描かれていきます。
「書店は閉まっていた。…(略)…明日もう一度行く」
「明日こそ本当に行く」
「今回こそ行く」
めっちゃ緊張しとる!
すごい恋する乙女の感じが、この短い文書に現れていました。惚れてまうやろー。
ローランとロールが出会うシーン。
ここは言わずもがなですね。読者としても待ちに待ったこのシーン。
二人が初めて交わす言葉が、本当におしゃれです。大好き。
おわりに
ここまで読んでくれたあなたには感謝しかありません。(もしかしたら0人かもしれない笑)
少しでもこの気持ちが誰かに伝わったならいいのにと思う今日この頃。誰かに何かを届けるって、簡単になったようで意外と難しいです。
それではみなさん、引き続きよい読書を!
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